「助成金があることは知っているけど、何が使えるかわからない」——これは障害者雇用担当者から最も多く聞く言葉の一つです。実は、障害者雇用に関連して使える助成金は複数あり、組み合わせると採用・研修・定着支援のコストを大幅に抑えられます。「知っていれば使えた」制度を一つひとつ丁寧に解説します。
※ 本記事は2025年3月時点の情報に基づいています。助成内容・金額・要件は変更される場合があります。最新情報は厚生労働省・都道府県労働局またはハローワークで必ずご確認ください。
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無料相談するまず全体像を把握する——いつ・何が使えるか
障害者雇用に関連する助成金は、大きく「採用段階」「研修・育成段階」「職場定着段階」「設備整備段階」の4つのフェーズに分けて理解すると整理しやすくなります。多くの企業が「研修費に使える」という認識だけで終わっていますが、採用後の賃金補助や定着支援コストにも活用できる制度が揃っています。
採用段階:特定求職者雇用開発助成金
障害者を雇用した後、継続して雇い続けることを条件に、支払った賃金の一部が助成される制度です。中小企業の場合、障害の程度や就労形態によって、最大240万円の助成を受けられます。助成期間は6ヶ月から最大2年間。雇用してから申請できる数少ない「後払い型」の助成金であるため、事前準備の負担が比較的少ないのが特徴です。
適用要件のポイントは「雇入れ日の前日から過去3年間、当該企業で雇用されていないこと」「週所定労働時間が20時間以上」「ハローワーク・民間職業紹介機関等を通じた採用であること」の3点です。採用媒体をハローワーク経由にするだけで対象になるケースが多く、まず最初に確認すべき助成金です。
研修・育成段階:人材開発支援助成金(障害者職業能力開発コース)
IT研修など職業訓練にかかる費用の3/4(中小企業)が補助される制度です。TSUNAGU AcademyのPower Platform研修はこの助成金の対象となる可能性があります。訓練費用助成に加え、訓練中に支払った賃金の一部(1人1時間あたり960円)も助成されます。
この助成金で最も注意すべき点は「訓練開始の1ヶ月前までに計画書を提出して認定を受ける必要がある」という事前申請の義務です。研修を始めた後では申請できません。TSUNAGU Academyへの研修申し込みと並行して、すぐに都道府県労働局への計画書提出準備を開始することが、確実に受給するための唯一の方法です。
定着支援段階:障害者雇用安定助成金
障害者雇用安定助成金は、障害者が継続して安定した職業生活を送れるよう、職場環境の改善や支援体制の整備に対して助成される制度です。「職場適応援助者(ジョブコーチ)支援コース」では、ジョブコーチの配置費用の一部が助成されます。ジョブコーチ有資格者を外部から委託する場合も対象になります。
「障害特性に応じた雇用管理・職場環境整備コース」では、障害者の安定就業のために職場環境を改善する取り組み(マニュアル整備・在宅勤務制度の整備・コミュニケーション支援ツールの導入など)に対して助成が受けられます。「在宅勤務の環境整備のために何か使える助成金はないか」と考えていた企業は、このコースが選択肢になります。
設備整備段階:障害者作業施設設置等助成金
障害者が業務を行うために必要な設備(バリアフリー設備・作業用ツール・専用機器など)の設置・整備費用に対して、費用の3/4(上限450万円)が助成される制度です。車椅子対応のデスク・音声読み上げソフト・拡大表示モニターなどが対象になります。「在宅勤務のための専用PC・周辺機器の整備」が対象になるかどうかは、最新の要件を確認してください。
| フェーズ | 制度名 | 主な助成内容 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 採用 | 特定求職者雇用開発助成金 | 賃金相当額の一部(最大240万円) | ハローワーク経由の採用が条件 |
| 研修 | 人材開発支援助成金(障害者職業能力開発コース) | 訓練費3/4・賃金助成960円/h | 訓練開始1ヶ月前に計画書提出必須 |
| 定着支援 | 障害者雇用安定助成金 | ジョブコーチ費・環境整備費の一部 | 職場適応援助者の関与が条件 |
| 設備整備 | 障害者作業施設設置等助成金 | 設備費の3/4(上限450万円) | 障害者就業に必要な設備に限定 |
助成金申請でよくある4つの失敗
「知っていたのに使えなかった」という失敗の大半は、手続きのタイミングを間違えることから起きます。最もよくある失敗は、人材開発支援助成金の訓練計画書を研修開始前に提出せず、研修が終わってから「申請しよう」と思ったケースです。事後申請は認められません。
- 1訓練計画書を研修開始1ヶ月前に提出していなかった(最頻出の失敗)
- 2必要な証拠書類(タイムカード・給与台帳・訓練日誌)を保管していなかった
- 3支給申請の締め切り(訓練終了後2ヶ月以内が多い)を失念した
- 4業務委託・フリーランス等の対象外の雇用形態で申請しようとした
助成金は「使える可能性がある」と気づいた瞬間に動き始めることが鉄則です。TSUNAGU Academyでは、研修の申し込み段階から助成金申請の準備サポートも行っています。「使えるかどうか確認したい」という段階からお気軽にご相談ください。
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TSUNAGU 編集部
障害者雇用専門障害者雇用・IT/DX活用に関する情報を、人事担当者の視点でわかりやすく発信。 社会保険労務士・障害者雇用コンサルタントが監修。最新の制度・法令については各省庁の公式情報をご確認ください。
