「毎週月曜の朝、先週の実績スライドを手作業で更新してTeamsに送る」——この作業に30分〜1時間かけているマネージャーや担当者が、今も多くの職場にいます。データをコピーし、グラフを直し、デザインを整え、ファイルを保存して送る。同じことの繰り返しなのに、誰かが毎週やらなければならない。このルーティンをPower AutomateとPowerPointテンプレートで自動化し、その仕組みの「構築と管理」を障害者社員の職域にする——このモデルが、企業と障害者社員の双方にメリットをもたらしています。

なぜPowerPoint自動化が「職域」になるのか

PowerPointデザイン自動化が単なる「便利な機能」ではなく「職域」になる理由は、仕組みを動かし続けるメンテナンス業務が継続的に発生するからです。データソース(SharePointリスト)の更新・フローのエラー確認・テンプレートの修正依頼対応・新しいKPI指標の追加——これらは一回きりではなく、毎週・毎月発生する定期業務です。

特にASD特性を持つ方にとって、「決まった手順を正確に繰り返す」「細部のデータ整合性を確認する」「エラーを見逃さない」という業務特性は、強みが最も発揮されやすい環境と一致します。「スライドのデータが間違っていたら会議の判断を誤らせる」という業務の重要性が、担当者のやりがいと自己効力感につながります。

実際の業務フロー:4ステップで回る仕組み

仕組みの核心はSharePoint→Power Automate→PowerPointという3つのツールの連携です。まず障害者社員がSharePointのリスト(またはExcelシート)にKPIデータを更新します。このデータ更新がトリガーとなり、Power Automateが自動的に起動します。Power Automateは定義されたテンプレートPowerPointファイルの指定箇所にデータを挿入し、新しいスライドファイルを生成します。完成したファイルはTeamsの指定チャンネルに自動投稿され、担当者が確認・承認してそのまま会議で使用します。

  • 1STEP1:SharePointリスト(またはExcel)にKPIデータを更新する(障害者社員担当)
  • 2STEP2:Power AutomateがSharePointのデータ変更を検知して自動起動する
  • 3STEP3:テンプレートPowerPointの指定箇所にデータが自動挿入されスライドが生成される
  • 4STEP4:完成スライドがTeamsの指定チャンネルに自動投稿され担当者が確認・承認する

このモデルが最も活きる人材特性と習得ロードマップ

まず必要なのはデータ入力・管理の正確性です。SharePointリストへのデータ更新は「どのフィールドに何を入力するか」が明確な定型業務で、習得は1〜2週間で完了します。次にPower Automateの基礎スキル(トリガー設定・アクション設定・変数の使い方)を2〜3ヶ月かけて習得します。最終的にPowerPoint操作とPower Automateを組み合わせた「スライド自動生成フロー」の構築・管理を担当するまで、研修開始から3〜5ヶ月が目安です。

フェーズ担当業務習得期間向いている特性
入門SharePointリストへのKPIデータ更新・確認1〜2週間正確なデータ入力・定型業務への集中力
基礎Power Automateフローの実行状況確認・エラー報告1〜2ヶ月ルールへの正確な遵守・異常検知への集中
応用スライド自動生成フローの構築・修正・管理3〜5ヶ月ロジック設計への関心・細部の整合性確認

「毎週のスライド更新作業がゼロになった」という経営企画部門の声と、「自分が作ったフローが毎週動いているのを見るのが嬉しい」という担当者の声が重なるとき、これが本当の職域設計だと感じます。TSUNAGU AcademyのPower Automate研修では、PowerPoint自動生成を含む実践的な業務自動化スキルを身につけられます。

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TSUNAGU 編集部

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障害者雇用専門

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