2026年7月、法定雇用率が2.7%へ引き上げられます。「採用すれば解決する」という単純な発想では、定着率の低さが逆にコストを増やす結果になりかねません。本当に必要なのは、採用→育成→定着という一連のサイクルを設計し、採用1名が3年後も組織に残っている状態を作ることです。

なぜ「採用だけ」では失敗するのか

障害者採用に取り組む企業の多くは、採用活動に注力しすぎて、入社後の支援体制を後回しにしています。「採用できたからとりあえずOK」という発想が、6ヶ月後の離職を生んでいます。実際のデータでは、入社後6ヶ月以内の離職率が約40%に達する企業もあり、その大半が「入社後のサポート不足」が原因です。

採用はスタート地点に過ぎません。採用後の育成と定着支援がなければ、採用にかけたコスト(採用活動費・研修費・人事担当者の工数)はすべて無駄になります。採用1名あたりの総コストは50〜100万円と言われており、定着率10%向上だけで企業全体の採用コストは大幅に削減できます。

採用フェーズ:ミスマッチをゼロにする設計

採用成功の前提は「業務設計が先に完成している」ことです。採用してから「何をやってもらおうか」を考えるのではなく、「この業務を担当してもらう」という具体的な設計を採用活動の前に完成させます。業務リストには「どのツールを使うか」「週何時間担当するか」「成果物は何か」を含め、候補者と面接時に具体的に共有します。

採用チャネルは、就労移行支援事業所との連携を軸にすると最もミスマッチを防げます。支援員が候補者の特性を熟知しており、企業の業務内容と照らし合わせて紹介してくれるため、「採用してみたら思っていたのと違った」というリスクが大幅に減ります。TSUNAGU Academyを活用した「スキル先行採用」も有効で、研修済みの人材を採用することで入社直後から業務貢献が期待できます。

育成フェーズ:3ヶ月で自走化を目指す

入社後の育成は「3ヶ月で自走化する」ことを目標に設計します。最初の1ヶ月は業務手順の習熟とツール操作の基礎に専念します。Power Platformの場合、Excel基礎から始めて、2週目にはSharePointの基本操作、3週目からPower Automateの入門に進むという段階的なロードマップを本人と共有します。

週次1on1は育成フェーズの核心です。業務進捗の確認だけでなく「今週学んだこと」「困ったこと」「次週の目標」を本人と一緒に確認します。ここで重要なのは「評価する」ではなく「一緒に設計する」というスタンスです。本人が「自分で目標を持てる」状態になることが、自走化のサインです。

定着フェーズ:成長の見える化が離職を防ぐ

定着率を高める最も効果的な方法は「成長が見える化されている状態」を作ることです。入社3ヶ月後に「入社時はできなかったが、今はこれができる」というリストを本人と一緒に作り、6ヶ月後・1年後に振り返ります。この「成長の証拠」が、離職の最大の抑制力になります。

フェーズ期間核心目標確認指標
採用〜入社業務設計完成・ミスマッチゼロ業務リスト合意・支援機関連携開始
育成入社〜3ヶ月業務習熟・自走化週次1on1継続・ツール操作習得
定着3ヶ月〜1年成長の見える化・キャリアパス設計スキルロードマップ進捗・KPI達成率

TSUNAGU Academyでは、採用から育成・定着までを一貫して支援する「トータル定着支援プログラム」を提供しています。採用後の定着率80%以上を実現する体制設計を、企業と一緒に作ります。

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TSUNAGU 編集部

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障害者雇用専門

障害者雇用・IT/DX活用に関する情報を、人事担当者の視点でわかりやすく発信。 社会保険労務士・障害者雇用コンサルタントが監修。最新の制度・法令については各省庁の公式情報をご確認ください。

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