「もう自分は社会に戻れないかもしれない」——うつ病で1年3ヶ月の休職を経験した山本さん(仮名・34歳)が、そう感じていた時期があります。在宅で自分のペースで受講できるIT研修との出会いが、「また働けるかもしれない」という感覚を少しずつ取り戻すきっかけになりました。休職から復職への歩みと、IT研修が回復の場になった理由を語っていただきました。

休職中に失っていたもの

うつ病の診断を受けて休職したのは32歳のときでした。「最初の半年は、とにかく眠ることで精一杯でした。仕事のことを考えると気分が悪くなる。でも、何もしていない自分に対して「このまま社会から離れていくんだろうか」という恐怖もあった」。

休職1年目の終わりに、主治医から「少しずつ活動量を増やしていきましょう」という指示が出ました。就労移行支援事業所に通い始め、そこでTSUNAGU Academyの在宅IT研修を紹介されました。「正直、「ITなんて自分には無理」と思いました。でも「在宅で、自分のペースで、やめたくなったらいつでもやめていい」と言ってもらえて、少しだけ試してみようと思えた」。

最初の1ヶ月——1日30分から始まった

研修を始めた最初の1ヶ月、山本さんが1日に取り組める時間は30分が限界でした。「それ以上やろうとすると、頭に霧がかかったような感覚になって集中できなかった。「今日は30分しかできなかった」という罪悪感もあった」。

しかし、担当スタッフから「30分でも毎日続けていることが大切。今日のフローの一部ができましたね」と言葉をかけてもらったことが、続けるための支えになりました。「否定されない。少しでも前に進んだことを見てくれる。休職中はそういう場がほとんどなかったから、すごく嬉しかった」。

「これは自分が作ったんだ」という体験が変えた

研修開始から6週間後、Power Automateで組んだ最初のフローが動いた瞬間のことを、山本さんは鮮明に覚えています。「Excelのデータを自動でSharePointに転記するフローでした。テスト実行したら本当に動いた。「これ、自分が作ったんだ」と思ったとき、久しぶりに達成感を感じた。それが「また働けるかもしれない」という気持ちの、本当の始まりでした」。

休職中に失っていたのは「自分にはできることがある」という感覚でした。フローが動くたびに、その感覚が少しずつ戻ってきました。「成果物が「形として残る」ことが大きかった。業務をこなすのと違い、「自分が作ったものがある」という証拠が積み重なっていく感じがした」。

在宅IT研修が回復の場になった5つの理由

「自分のペースで進められる」という点が最も大きかったと山本さんは言います。体調が悪い日は30分で終えて良く、良い日は2時間取り組んでも良い。この柔軟性が、「今日は休もう」ではなく「今日は少しだけやろう」という選択を可能にしました。また、個別学習なので他の受講者と比べる必要がなく、「自分のペースが遅い」というプレッシャーを感じなくて済みました。

  • 1自分のペースで進められる(体調が悪い日は短く、良い日は多く)
  • 2「できた」という成果物が形として残る(フロー・ダッシュボード)
  • 3個別学習なので他者と比較されない環境
  • 4体調が良い時間帯に集中して取り組める(朝型・夜型も自由)
  • 5テキストベースの質問対応で「聞くハードル」が低い

現在——在宅パートとして復職

研修修了後、山本さんは週20時間の在宅パートとして現在の会社に採用されました。Power Automateを使った業務フロー構築と、SharePointでのデータ管理を担当しています。「完全に元通りではないけれど、「自分は社会とつながっている」という感覚がある。それが今、一番大切なことです」。

休職からの回復過程で「また働けるかもしれない」という感覚を取り戻すことは、治療と同じくらい大切なステップです。TSUNAGU Academyの在宅研修は、リワーク支援の一環として活用いただけます。本人のペースを尊重しながら、社会復帰への歩みを伴走させてください。

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TSUNAGU 編集部

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障害者雇用専門

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