【2026年7月10日 施行後更新】2026年7月1日、本記事が予告した通り法定雇用率2.7%が施行されました。すでに約10日が経過し、ハローワークへの報告期限(7月15日)が目前に迫っています。本記事の「6ヶ月ロードマップ」に沿って準備を進めてきた企業は、現在6月1日基準の雇用率を最終確認し、報告書提出の最終段階に入っているはずです。これから動き出す企業は、第3章の「今すぐ取るべき3つのアクション」から着手し、本記事のロードマップの7月〜12月のステップに従って半年で達成を目指してください。なお、施行直後の現在、ハローワークの障害者雇用窓口は相談が集中しており、早めの連絡をおすすめします。

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2026年7月1日——ついにこの日が来ました。民間企業の法定雇用率が2.5%から2.7%へ引き上げられます。この0.2%の差が、あなたの会社にとって何を意味するのか。特に常用雇用労働者数37.5人以上300人未満の中小企業にとって、今回の変更は単なる「微調整」ではありません。本記事では、変更点の全体像から自社への影響試算、今日から取るべき即時アクション、そして中長期的な人材育成型戦略までを完全ガイドします。

第1章:2026年7月1日、何が変わるのか——変更点の全体像

2026年7月1日より、障害者雇用促進法に基づく民間企業の法定雇用率が2.5%から2.7%に引き上げられます。これは2024年4月の2.3%→2.5%への引き上げから、わずか2年3ヶ月での連続引き上げです。政府は障害者雇用率の段階的な引き上げを進めており、今後もこの流れは続くことが予測されています。

変更点①:法定雇用率 2.5% → 2.7%

民間企業の法定雇用率が2.7%になることで、必要とされる障害者雇用数が増加します。たとえば常用雇用労働者数100名の企業では、これまで3名(小数点以下切り捨て)だった必要雇用数が、2.7%では同様に計算して3名と変わりませんが、40名の企業ではこれまで1名だった必要数が1名のままです。一方、200名の企業では5名から6名へ増加し、300名の企業では8名から9名への増加となります。

常用雇用労働者数2.5%時の必要人数2.7%時の必要人数増加数影響
37.5人(義務発生ライン)1名1名0名雇用義務発生の目安
100名3名3名0名当面変動なし
150名4名4名0名当面変動なし
200名5名5名0名当面変動なし
300名8名8名0名当面変動なし(端数処理で変わらず)
500名13名14名1名追加1名の雇用必要
1,000名25名27名2名追加2名の雇用必要
3,000名75名81名6名大幅な追加雇用必要

※ 小数点以下は切り捨て。実際の計算は除外率・短時間労働者のカウント等により変動します。2024年改正の精神障害者短時間特例等も反映して再計算が必要です。

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変更点②:対象となる企業規模——「37.5人以上」に注目

2024年4月の改正で、障害者雇用の義務対象企業の常用雇用労働者数の下限が「43.5人以上」から「37.5人以上」に段階的に引き下げられ、2026年7月の2.7%への引き上げにより37.5人以上が雇用義務の対象となりました。

なお、法定雇用率2.7%での計算上は、常用雇用労働者数が37.5人を超えると小数点以下の切り上げ処理により1名の雇用が必要となるケースがあり、実務においては「37.5人以上が目安」となります。ただし、これはあくまで計算上の目安であり、短時間労働者の換算方法や除外率の有無、精神障害者のカウント特例など様々な要素によって実際の必要人数は変動します。自社の正確な必要雇用数は、ハローワークまたは社労士にご確認ください。

特に注目すべきは「37.5人以上の規模」の企業です。これまで法定雇用率の対象外だった企業が2024年から対象になり、さらに2026年7月の2.7%への引き上げで、今後の採用計画においてより慎重な人数管理が必要になります。1名の障害者雇用でも雇用率は大きく変動するからです。

変更点③:除外率制度——一部業種に限った影響に注意

除外率制度は、特定の業種に対してのみ、障害者就業が困難とされる業務の割合を常用雇用労働者数から控除する仕組みです。全業種に一律に適用される制度ではないことに注意が必要です。2024年改正では、除外率が設定されている業種について一律10%引き下げられ、例えば建設業は45%→35%、製造業の一部は30%→20%、警備業は25%→15%となりました。これらの業種では、除外率の引き下げにより分母(常用雇用労働者数)が実質的に増えるため、必要雇用数も増加します。

一方、除外率がもともと設定されていない業種(事務系を中心とする多くの業種)では、この引き下げによる直接的な影響はありません。自社の業種に除外率が設定されているかどうかは、厚生労働省の最新の除外率一覧で必ずご確認ください。

業種例改正前除外率改正後除外率(2024年4月〜)法定雇用率2.7%時の実質影響
建設業45%35%分母が10%増 → 必要雇用数が約15%増
製造業(一部)30%20%分母が10%増 → 必要雇用数が約12%増
警備業25%15%分母が10%増 → 必要雇用数が約10%増
電気・ガス・水道事業25%15%分母が10%増 → 必要雇用数が約10%増
病院・診療所10%0%(廃止)除外率廃止により必要雇用数が大幅増

第2章:自社への影響を「数字」で把握する——いますぐできる5分計算

「影響はわかったが、自社では何人増やせばいいのか」を具体的に把握できなければ、アクションは始められません。以下の手順で、今すぐ自社の状況を計算してみてください。

  • 1【Step1】自社の常用雇用労働者数を確認する(週30時間以上の通常労働者 + 週20〜30時間の短時間労働者×0.5)
  • 2【Step2】業種に応じた除外率を適用する(改正後の最新除外率を使用)
  • 3【Step3】分母 × 0.027(2.7%)で必要雇用数を算出。小数点以下は切り捨て
  • 4【Step4】現在の雇用障害者数を正しくカウントする(精神障害者週20〜30時間→1.0、重度身体・知的障害者週30時間以上→2.0、週10〜20時間の重度障害者等→0.5を忘れずに)
  • 5【Step5】必要雇用数 − 現在の雇用数 = 追加で必要な人数を把握する

計算例:常用雇用労働者100名のIT企業(除外率0%)。必要雇用数 = 100 × 0.027 = 2.7 → 2名。現在精神障害者を1名(週30時間以上)雇用している場合、不足は1名。

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計算してみて「思ったより不足数が少なかった」「今のままで達成していた」という企業もあるでしょう。一方で「1名だが、今すぐ採用できるのか」「まったく採用のあてがない」という企業も多いはずです。大事なのは現状を正確に知ること。数字がわかれば、次の一手が決まります。

第3章:中小企業の採用担当者が「今日から」取るべき3つのアクション

「7月1日から変わると言われても、今すぐ採用なんてできない」——その通りです。ですが、今日から始められることは確実にあります。以下の3つは、採用活動の前にまずやるべき「基盤づくり」です。

アクション1:自社の「雇用率カルテ」を作る(所要時間:30分)

Excelを開き、以下の項目を1枚のシートにまとめてください。常用雇用労働者数、除外率と適用後の分母、法定雇用率2.7%での必要雇用数、現在の雇用障害者数(身体・知的・精神の内訳とカウント数)、不足人数——これがあなたの会社の「障害者雇用カルテ」です。この1枚があるだけで、社内説明もハローワーク対応も格段にスムーズになります。

アクション2:社内の「潜在業務」を棚卸しする(所要時間:1時間×1週間)

中小企業の障害者採用担当者が最も頭を悩ませるのが「どんな仕事を任せればいいのか」です。しかし、中小企業には大企業にない強みがあります。業務の境界が緩やかで、一人の担当者が多様な仕事を抱えているため、「切り出せる業務」が実は豊富に存在するのです。

具体的には、以下のような業務が「潜在業務」として眠っていないか、各部署に聞いてみてください。データ入力・転記(営業日報、請求書など)、Excelでの集計・グラフ作成、ファイル・文書の整理・電子化、社内ポータル・SharePointの更新、定型メールのテンプレート作成・送信、経費精算のチェック補助、名刺データの入力・管理——これらは在宅でも完結でき、ITスキルがあれば高い生産性を発揮できる業務です。

アクション3:地域の就労移行支援事業所に「まず会いに行く」(所要時間:半日)

中小企業の障害者採用で最も成功率が高いのは、求人広告ではなく「就労移行支援事業所との連携」です。支援員は候補者の特性・スキル・勤務可能時間・配慮事項を熟知しており、「自社に合う人材」を紹介してもらえる可能性が高いです。まずはハローワークで地域の就労移行支援事業所リストをもらい、電話で「障害者雇用を検討している中小企業です。一度お話を聞かせていただけませんか」と伝えてください。事業所訪問のハードルは見た目よりずっと低く、支援員は企業からの連絡を歓迎します。

  • 本日中に「雇用率カルテ」を作成する(Excel 1枚でOK)
  • 今週中に各部署へ「切り出せる定型業務」のヒアリングを始める
  • 今月中に地域の就労移行支援事業所に連絡し、訪問アポイントを取る
  • 上記3つを完了したら、次のステップ(採用計画の文書化)に進む

第4章:中小企業こそ「人材育成型」で差をつける——TSUNAGU Academyという選択肢

法定雇用率の達成はゴールではありません。本当に重要なのは「採用した障害者社員が戦力として活躍し、定着すること」です。特に中小企業では、1名の障害者社員がチームに与えるインパクトは大きく、採用の失敗(早期離職)のダメージも大企業より深刻です。

ここで注目すべきが「人材育成型」のアプローチです。従来の「採用してから業務を教える」ではなく、「ITスキルを習得した状態で採用する」ことで、入社直後から業務貢献が始まり、本人の「役に立っている」という実感が定着率を高めます。TSUNAGU Academyは、障害者向けのIT・DX研修(Power Automate、Power BI、SharePoint、生成AI活用など)を提供し、研修修了者のマッチングまで一貫してサポートする人材育成型の障害者雇用支援サービスです。

比較項目従来型(採用→研修)人材育成型(研修→採用)中小企業へのメリット
研修期間採用後に3〜6ヶ月採用時点で研修完了OJT負担が大幅に軽減
業務貢献開始入社3〜6ヶ月後入社直後から少人数チームでの即戦力化
ミスマッチリスク高い(面接だけではわからない)低い(スキル・成果物を事前確認)採用失敗のダメージが小さい
定着率1年後約60%(業界平均)1年後80%以上(TSUNAGU Academy実績)育てた人材が辞めない
教育コスト現場OJTの工数大研修費用は助成金の活用で実質負担軽減の可能性実質負担が小さい

第5章:障害者採用担当者が知っておくべき「助成金」3選

「障害者を雇用したいが、コストが心配」——これは中小企業の採用担当者から最も多く聞かれる本音です。しかし、知っているかどうかで数十万〜数百万円の差が出るのが助成金制度です。以下の3つは、特に中小企業にメリットが大きい制度です。

  • 1【特定求職者雇用開発助成金】障害者をハローワーク経由で雇用し、継続雇用することで、最大240万円の賃金補助が受けられます。中小企業では助成率が高く設定されています。
  • 2【人材開発支援助成金(障害者職業能力開発コース)】IT研修費用の3/4(中小企業)が補助されます。TSUNAGU Academyの研修も対象となる可能性があります。訓練開始1ヶ月前までの計画書提出が条件です。
  • 3【障害者雇用安定助成金】ジョブコーチ配置や職場環境整備にかかる費用の一部が助成されます。定着支援のコストを抑えられるのが中小企業にとっての大きなメリットです。

※ 助成内容・金額・要件は都道府県労働局によって異なる場合があります。申請前に必ず最寄りのハローワークまたは労働局で最新情報をご確認ください。

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第6章:2026年7月からの「中長期ロードマップ」——半年で達成するシナリオ

「今日から動けば、半年後には達成している」——これが中小企業の現実的なシナリオです。以下に、2026年7月から12月までの具体的なロードマップを示します。

時期フェーズ具体的なアクション達成目標
2026年7月現状把握・基盤整備雇用率カルテ作成/業務棚卸し/就労移行支援事業所への初回訪問自社の不足人数と受け入れ可能業務が明確になっている
2026年8月募集準備・連携強化求人票作成/事業所との実習受け入れ計画策定/助成金申請準備採用チャネルと支援体制の骨格が整う
2026年9月実習受け入れ・採用活動実習生受け入れ開始(2〜4週間)/IT研修修了者とのマッチング面談候補者と実際に一緒に働く機会を得る
2026年10月採用決定・オンボーディング採用決定/入社前の業務マニュアル・ツール整備/助成金計画書提出採用が確定し、受け入れ準備が整う
2026年11月入社・初期定着入社後1ヶ月のオンボーディング/週次1on1/業務習熟サポート本人が「ここで働けそう」と感じ始める
2026年12月戦力化・定着確認業務の自立度評価/3ヶ月後の定着確認/次年度のキャリア目標設定法定雇用率2.7%達成・安定就業の基盤完成

このロードマップで最も強調したいのは「7月に採用しなくていい」ということです。7月にやるべきは「準備」です。適当に人を採って3ヶ月で辞められるのが、最もコストのかかる失敗です。半年かけて丁寧に準備し、丁寧に採用し、丁寧に定着させる——このサイクルを回せる企業が、長期的に法定雇用率を安定して達成します。

第7章:よくある質問——中小企業の採用担当者から実際に寄せられる疑問

Q1:社員40名の会社です。今まで障害者雇用の義務はありませんでしたが、これから1名雇わなければなりません。何から始めればいいですか?

まずは本記事の第3章「アクション1〜3」をそのまま実践してください。40名規模であれば、1名の障害者雇用で雇用率は達成できます。最も重要なのは「どんな仕事を任せるか」を先に決めることです。業務の棚卸しをしてから、就労移行支援事業所に相談すれば、「この業務ならこういう方が向いている」とアドバイスをもらえます。最初の1名は特に、実習受け入れからの採用を強くおすすめします。ミスマッチを防ぐことが、40名規模の会社にとって最も重要です。

Q2:在宅勤務での障害者雇用は、小さな会社でも可能ですか?

可能です。むしろ、オフィスが手狭な中小企業こそ在宅雇用は有効です。最低限必要なのは会社支給のPC、Microsoft 365(Teams/SharePoint)、VPN接続の3点です。通信費補助も月3,000〜5,000円程度で、設備コストは通勤交通費と比べても安価です。業務マニュアルをSharePointに用意し、毎朝のTeamsチェックインと週1回の1on1を実施すれば、管理面の不安も解消できます。TSUNAGU Academyの研修修了者は在宅でのIT業務に習熟しており、中小企業の在宅雇用に最適な人材です。

Q3:障害者を雇用するのが初めてで、社内にノウハウがまったくありません。

その状態が「普通」です。大企業でも、初めて障害者雇用に取り組む際は誰もが同じ状況からスタートしています。重要なのは「全部自分たちでやろうとしない」こと。就労移行支援事業所は企業の受け入れ支援のプロです。TSUNAGU AcademyはITスキル習得と定着支援のプロです。社労士は助成金申請と就業規則整備のプロです。プロの力を借りながら、少しずつ自社のノウハウを蓄積していけば大丈夫です。最初の1名を採用し、1年間定着させる——まずはここを目標にしましょう。

Q4:法定雇用率を達成できない場合、どのような流れになりますか?

障害者雇用促進法に基づく対応は、段階的な制度設計になっています。即座に罰則が科されるわけではありません。まず、法定雇用率未達成の企業にはハローワークから報告を求められ、状況に応じて指導・助言が行われます。常用雇用労働者数が100人を超える企業では、障害者雇用納付金(不足1人あたり月5万円)の支払い義務が生じます。100人以下の企業には納付金はありませんが、努力義務は継続します。

雇用率が著しく低く改善の見込みがない場合、次の段階としてハローワークから雇用計画作成命令が出されることがあります。さらに計画未履行が続くと、最終的に企業名の公表という行政指導上の措置が取られる可能性があります。ただし、これらは即座に適用されるものではなく、報告→指導・助言→納付金→計画作成命令→企業名公表という段階を踏んで対応が進められる制度です。

特にBtoB企業では取引先評価への影響も無視できません。最も重要なのは「何もしていない」状態を避けることです。仮に未達でも「具体的に動いている」ことの記録を残し、指導・助言の段階で誠実に対応することが最大の防御になります。

まとめ——今日から動き出すあなたへ

法定雇用率2.7%への引き上げは、多くの中小企業にとって「また負担が増える」という重いニュースに聞こえるかもしれません。しかし、見方を変えれば、これは「人材育成を通じて会社のDXを進めるきっかけ」でもあります。ITスキルを持った障害者社員がPower Automateで業務を自動化し、Power BIでデータを見える化し、SharePointで情報共有を整備する——これはコストではなく、投資です。

今日からできることは3つだけ。雇用率カルテを作る。業務を棚卸しする。就労移行支援事業所に連絡する。この3つを今月中に実行すれば、半年後の2026年12月には「法定雇用率2.7%を達成し、戦力となる障害者社員と共に働いている」状態に、確実に近づいています。

法定雇用率2.7%時代の障害者雇用は、「義務」から「戦略」へ。TSUNAGU Academyは、IT・DXスキルを備えた障害者人材の育成と企業の受け入れ支援を通じて、あなたの会社の「人材育成型障害者雇用」をトータルでサポートします。まずは無料相談から、お気軽にお問い合わせください。

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参考文献・一次資料

※本記事の内容は執筆時点の情報に基づきます。最新の法令・制度については、上記の一次資料をご確認ください。

障害者雇用・IT/DX活用に関する情報を、人事担当者の視点でわかりやすく発信。 監修は水野 祐美子(プロフィールはこちら)。最新の制度・法令については各省庁の公式情報をご確認ください。

監修:水野 祐美子
公開日:2026-06-30
更新日:2026-07-10